年金分割制度
今回の改正のポイント
今回の制度改正により、財産分与として離婚時に分割された厚生年金等は、相手方から受け取るのではなく、直接国から受け取ることになります。よって、たとえ夫が死亡しても年金を受給し続けることができますし、たとえ妻が再婚しても、妻個人の年金として受け取る事ができるようになります。
2008年4月1日からは、専業主婦、年収の少ない(130万円未満)3号被保険者であれば、夫との合意や審判がなくても自動的に半額が分割されることとなります。
年金分割制度のしくみ
年金分割をする手続きの流れ
- 按分割合を定めるために、社会保険庁に対して情報提供の請求を行う。
- 情報提供をもとにして、当事者の合意または裁判所にてその割合を定める。
- 社会保険庁に対して年金分割改定の請求を行う
社保庁に対する情報提供請求
情報提供請求は、当事者の2人が共同で行なうことも1人だけで行なうこともできます。
◇ 2人で共同で請求した場合
- 当事者それぞれに情報が通知されます。
◇ 1人だけで請求した場合
- 離婚している場合=請求者だけでなく、請求をしていない相手方にも提供されます。
- 離婚をしていない場合=請求者だけに提供されます。
また次の要件に該当する場合には、年金見込み額についても知ることができます。
◇ 50歳以上の方の場合
◇ 障害厚生年金の支給を受けている方の場合
情報提供請求をするために必要となる書類
- 年金分割のための情報提供請求書
- 請求者ご本人の年金手帳、または、基礎年金番号通知書
- 婚姻期間を明らかにすることができる市区町村長の証明書か、戸籍謄本・抄本
- 内縁 ( 事実婚 ) の場合は、世帯主全員の住民票の写しなどの事実婚関係を明らかにすることが出来る書類 ( 詳しくは社保庁までご確認下さい )
社保庁に対する分割改定請求
公正証書等の作成
当事者の合意によって年金分割を請求をする場合、
- 公証人が作成した公正証書
- 公証人の認証を受けた私署証書
によって請求をする必要があります。
また、その書面には、次の記載が必要となります。
- 当事者それぞれの氏名、生年月日、基礎年金番号
- 年金分割請求をすることについて当事者間で合意をした旨
- 当事者間で合意した按分割合 ( あんぶんわりあい )
公正証書等の作成手数料
離婚協議書に年金分割についての条項を盛り込めば、通常の公証人手数料に加えて、¥11,000円の手数料が加算されます。年金分割公正証書のみを作成する場合も同様に¥11,000円となります。公証人の認証を受けた私署証書の場合の手数料は、¥5,500円となります。
年金分割請求
年金分割の請求は、当事者の合意により作成した公正証書、あるいは裁判所の調停調書などを社会保険庁に提出して行います。
年金分割の請求は、当事者の一方だけで行うことができますが、離婚が成立した日の翌日から2年以内に行なう必要がございます。
年金分割制度の注意点
制度を利用するための条件
- 2007年4月1日以降の離婚であること
- 離婚後2年以内に分割の請求をすること
- 分割の枠は、最大2分の1の範囲内であること
- 共稼ぎの場合は、合計してその2分の1の範囲内であること
年金分割を受けるための要件
- 分割を受ける人自身に厚生年金受給資格があること
- 国民年金、厚生年金、共済年金のいずれかの年金について25年以上
- ご自身が、その生年月日に応じた年金支給開始年齢に達していること
その他、注意点
- 分割は、婚姻期間における厚生年金が対象となります。
- 年金分割は有責配偶者であっても行なうことができます。
- 必ずしも夫から妻への分割ではありません。
- 妻の年収の方が多ければ、妻から夫に分割されることもありえます。
- 内縁関係 ( 事実婚 ) の場合、
- 平成19年4月1日以降に事実婚関係が解消されたと認められる場合であって、他方の被扶養配偶者として国民年金の第3号被保険者として認定をされていた期間があれば対象となります。
年金はとっても大事な財産です。
離婚した女性の半数以上は、老後の収入を年金に頼っているという現実がございます。そして、女性の平均年齢は平成16年で 約85歳 と大変高齢となっています。離婚をした場合の1ヶ月の収入や、生活費についてキチンと計算して今から老後の生活に至るまでの十分なお金の見通しを立てておきましょう。
年金のことでわからないことは、社保庁に尋ねればわかりやすく教えてくれますので、面倒なことではございますが、今後のためにもしっかりと押さえておきましょう。



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