ペットの飼育責任
H18年6月1日に施行された「動物愛護管理法」では、旧「動物愛護管理法」に比べ、愛護動物への虐待や遺棄に対し、罰則が厳しくなっています。
「愛護動物」をみだりに殺し、または傷つけた者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金。
みだりに給餌または給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者や遺棄した者は、50万円以下の罰金に処すると定められています。
遺棄について
単に棄てることだけではなく、置き去りも含まれます。一時的に預かった動物や飼い主のわからない動物を保護したような場合であっても、置き去りは違法です。
愛護動物とは
- 牛・馬・豚・めんよう・やぎ・犬・ねこ・いえうさぎ・鶏・家鳩・あひるの11種類
- 哺乳類・鳥類・爬虫類(人に占有されているもの)で野生のものは含まれません。
魚類・両生類は含まれません。
※ 飼えなくなった犬や猫について、代わりの飼い主が見つからない場合は「家庭動物等の飼育及び保管に関する基準や動物愛護管理法により、都道府県などに引き取りを求めることが出来ます。
しかし、これはあくまでも、やむを得ないこととしての所有権の放棄に伴う緊急避難措置とされています。
引き取られた犬や猫は一定期間(約1週間)動物管理センターなどに保管されますが、新しい飼い主が現れない場合はガスで安楽死(?)されます。猫はすぐに処分されるようです。
引き取り制度は本来の飼い主の終生飼養義務には反していますので、今後の検討課題といえます。
犬の殺処分はH7年度の2,297頭からH14年度は787頭と大幅に減少していますが、猫の殺処分はH7年度の5,055頭からH14年度は3,376頭。犬に比べるとまだ膨大な数です。
全国の動物担当職員の方や、関係者の方、民間ボランティアの方は里親探しなどで少しでも処分の数を減らすよう努力されています。
飼い主の方はこの現状を理解され、安易な飼育によるペットの所有権放棄・遺棄をしないで下さい。
「あなたは本当に動物が飼えますか?」(JSPCAの記事から)
10個の項目があります。これはJSPCAから動物の里親希望の方へする質問事項です。
これらの項目に一つでも当てはまらない項目がある場合は里親は断わられています。
- 毎日運動に連れていく時間、体力があるか。
- 一戸建てに住んでいるか。集合住宅でも「ペット飼育可」の規約があるか。
- 家族全員動物好きか。
- 動物に対するアレルギーがないか。
- 引越し、転勤の予定はないか。
- 1日数回の食餌、トイレの後始末を10年以上かかさず続けられか。
- 毎日の食事代、病気や怪我をしたときの治療代などお金をかけられるか。
- しつけ(近所への配慮)ができるか。
- 高齢動物の介護をする心構えがあるか。
- 不測の事態に陥ったときの受け皿があるか。
なぜなら、
- 仕事が忙しくて散歩に行く時間も体力もないから里親を探して欲しい。
- 集合住宅で秘密に飼っていたが、バレてしまったので里親を探して欲しい。
- 家族と相談せずに衝動買いしたが、反対されたので里親を探して欲しい。
- 動物を飼い始めたらアレルギー性の喘息が起きたので里親を探して欲しい。
- 転勤先の社宅では動物を飼えないので里親を探して欲しい。
- 自分が高齢で、世話が辛くなってきたから里親を探して欲しい。
- 病気になってしまったが、治療費が払えないから里親を探して欲しい。
- 吠え声がうるさいと近所から苦情がきたので里親を探して欲しい。
- 痴呆症や老齢による病気になった動物の世話が大変だから里親を探して欲しい。
- 飼い主が亡くなってしまったが、誰も引き取り手がいないので里親を探して欲しい。と、いう相談が絶えないからなのです。
「飼うのをやめる」ということは殺すことと同じです。
飼う前に、「自分は本当に動物が飼えるのか?」ということを考えることが必要です。
ペット飼育トラブル
ペットの事故は思いもよらない事で発生します。特に人に危害を加えた場合は、損害賠償も多額になることがあります。傷害保険にはなるべく加入しておく方が良いと思われます。
近年ペットが身近になるにつれ、「鳴声」・「糞や尿の臭い」・「ゴミの散乱」・「器物破壊」などの近隣問題が多発しています。
- 散歩とは本来、動物を運動させるのが目的です。糞尿は基本的には自宅内で済ませましょう。散歩中の尿には消臭剤や水をかけるぐらいの気配りが必要です。もちろん、糞は持ち帰ること。
- 大型犬はしつけがしっかり出来ていなと、とっさに制御できないことがあり、噛み付き等のトラブルになります
- 公園などで散歩をさせる場合でも必ずリードは放さないようにしましょう。もしトラブルが起こったときは、飼い主の管理者責任が問われます。犬を放しても良い場所でも、相当の注意が必要です。
今回、2006年に改正された「動物愛護管理法」には第7条に飼い主の法令上の義務が定められています。
他人に迷惑を及ぼさないよう動物の飼育、保管に努めなければならない、という義務です。
行政の勧告・命令に従わない場合は、同法第25条、同法施行規則第12条に基づき、20万円以下の罰金に処せられることもあります。
また都心の集合住宅でのペット飼育問題も多発しています。
ペット飼育可のマンション(分譲)も増えてきていますが、マンション管理規約でペットの飼育禁止条項があると分譲住宅では飼育は出来ません。
犬の鳴き声トラブル
犬の鳴き声の苦情は多く発生しています。
まず原因をつきとめることです。
- 何にむかって吠えているのか
- 何が近くにあるのか
- いつ吠えるのか
散歩をさせないで繋いだままの為にストレスがたまっている。家の人が留守の為に不安になる。など
遊んでほしいので甘えて吠えているのであれば、かまってやると逆効果です。吠えている間は無視して、なきやんだら相手をしてやると、理解するようになります。庭などで飼っている場合は、外が見えないように目隠しをすると興奮しなくなります。
猫の実態
家で飼われている猫のうち9割が雑種です。拾ったのが27%・迷い込み住みついたのが24%・人からもらったのが24%・自宅で産まれたのが18%という内訳になっています。
雌猫は生後半年過ぎには、年に3〜4回仔猫を産むことができます。1回のお産で約6匹産み、仮にその半数が雌猫だとすると計算上では、1匹の雌猫が1年では80匹に、3年では約51万匹に殖えてしまいます。
飼えなくなった為に安易に捨てることが、結果、保健所などの安楽死処分に繋がるのです。
事実、保健所で処分される猫の9割以上が仔猫なのです。
以下は、猫の飼育の留意事項です。
- 飼うつもりはなくても野良猫に定期的に餌を与えると、事実上の支配下に置くことになるため、占有者責任が発生します。安易な餌やりは禁物です。猫にとっても不幸です。
- 駐車場などの空地で餌やりの行為を続け、猫が他人の車を傷つけたような場合は損害賠償責任が問われます。
- 餌やりを途中でやめると、動物愛護管理法第44条2項「虐待」違反になり、50万円以下の罰金に処せられる場合があります。
しかし、これはあくまでも法律論としてであり、現実的には餌をやるのを止めると猫は衰弱前にいなくなる事が予想されますので、上記に該当することはないと考えられます。
また、糞尿などの被害で迷惑になっており、近隣から餌やりを中止するように要請されていたような場合は、途中で餌やりを止めても違法にはなりません。
- 人目を避けるため、他の場所に猫を移動した場合は「遺棄罪」にあたります。
- 餌を定期的にやり続け、その場所で子猫を産み面倒見きれなくなった場合は、動物愛護管理法第37条「繁殖制限」違反にあたります。不妊手術等の措置を講じなければなりません。
- 「地域猫」という言葉があります。地域の人たちが、不妊去勢手術をし繁殖制限し、餌などを与えて地域の住人全員がその地域に住みつくことを認めている猫たちのことです。
その猫たちが他人や他人の物に害を加えた場合は、地域猫を管理する者の責任問題が生じることもあります。その場合は共同して損害賠償をする責任が生じる可能性があります。



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